真実のお岩さま
今日の朝日新聞夕刊におもしろいコラムがありました。
東海道四谷怪談で有名なお岩さま。
祀ってあるのは、四谷のお岩稲荷です。
もともとお岩さまは聡明な女性で、夫の田宮伊右衛門と寄り添い、
貧しい田宮家を盛り立てたということで、江戸の人々がその居住地後にできた
稲荷神社にお参りするようになった、というのは結構知られた話です。
そのお岩さまが今に伝わるおどろおどろしい怪談の主人公になったのは、
亡くなってからなんと200年後。
鶴屋南北が東海道四谷怪談を書いた時に、評判の女性だけど善人じゃおもしろくない、
実際に起きた惨殺事件と掛け合わせて今の形にしたのだとか。
平穏だった江戸の人たちが刺激を求めていたからゆえというのですね。
しかし~!
今でも四谷怪談を舞台やテレビで扱う時には要注意と言われます。
私もトーク番組の構成で四谷怪談をテーマにした時、「絶対に台本書く前にお参りしてくださいね」
とNHKの人に厳しく申しつけられましたし、セットの裏には御札が貼ってありました。
実際、お参りせずに怪我をしたというスタッフの話は、昔からいくつも聞いています。
……それって誰の祟り?
ホンモノのお岩様はいい人だったわけですよね?
それなのに勝手に脚色されたから?
それとも題材にされた実際の惨殺事件の被害者?
それとも物語自体に宿った得体の知れない何か?
……考えてもわかるものじゃないですね。
翻って現代。真実の姿がねじ曲げられて伝えられることは江戸時代の比ではありません。
自分が同じことされたら?
やっぱり化けて出るかも。
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