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2017/03/30

映画美術スタッフ塾

映画やドラマにおいて脚本というのは、設計図であり土台なのだけど、
実際の撮影現場に接する機会はほとんどない。
撮影現場にお邪魔しても、
皆さんが働いている時には一人だけすっかり仕事が終わっていて
なんだかお客さんな気分でちょっと寂しかったりする。

プロデューサーと監督(とたまにキャスト)が一番会話を交わすけど、
それ以外はほとんど接点がない。

そんな中、日本映画・テレビ美術監督協会主宰の映画美術スタッフ塾
という勉強会があり、たまたま初日は「夕凪の街 桜の国」が上映予定で、
その美術監督だった若松さんが講師を務めるというのでお邪魔した。

場所は日大芸術学部。
春休みのキャンパスは人気もなくちょっとさみしい。
講堂はさすが立派なものがあって、久し振りに大きなスクリーンで
35ミリフィルムでの上映を堪能。

たまたまプロデューサーも来ていて、「フィルムの傷も愛おしいねえ」
なんてカッコいいことを言ってた。

ちなみに「この世界の片隅に」が大ヒット中で、同じこうの史代さん原作
ということで、一緒に上映される機会が増えているらしい。
(これも便乗?)

で、若松さんのお話。(若松さんとは撮影当時一緒にお酒を飲む機会が
あったおかげで顔見知り)

まずは台本が届くと3時間半かけて読み込むというお話から。
そんなに時間がかかるのは、頭の中ですべてのシーンをつくり上げていくから。
「シナリオに好き勝手に書きやがるからよー」とガラが悪いったらない(笑)

「画面に映るのは、役者と美術だけなんだよ」

「ほら、この草、朝早く植えたんだぜ。いい芝居してんだろ」

「このエイジング(古ぼけてみえる処理)がよー、雨に降られて、太陽にさらされて、落ちちまった」

「いいか、この金魚はなー、家族を表して3匹いんだよ。
 皆実が死んだら、金魚も一匹死んだんだよ」

「このハンカチの金魚はな、二匹いるだろ。
 で、間に水草があんだよ。
 この水草で隔てられて一緒になれねーっていうのを表してんだよ」
(原爆症でヒロインが恋人を残して死んでしまうシーンに登場)

……などなど、細かすぎるこだわり、初めて知ったことばかり!
いやーもっと早く知りたかったなーというこのオンパレード。

そして、美術さんがどれほど心を砕いて1つ1つのセットやロケ場所を
つくっているかがわかって、ホントいい勉強になりました。
ト書きひとつも大切に書かないとね、と改めて思った1日でした。

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