« 一龍斎貞水 立体怪談 | トップページ | レーシック……1週間検診 »

2005/09/08

ふたりの5つの分かれ路

大好きなフランソワ・オゾン監督の新作。
オゾン監督ってルックスも好きなんですけど、私(笑)

ファーストシーンは離婚調停の場から。
終わった愛、終わった結婚生活、疲れ果てた中年の男女。
そして、最後のセックスをするためにホテルの部屋へ。
疲れ果てた二人が肌を合わせたところでヨリなど戻るはずもない。
それはとても哀しいセックスだ。
部屋を出ていく妻に「やり直せないか」と問う夫。
しかし、妻は黙って出て行く……。

というのが最初のエピソードで、時系列はそこから「特別なディナー」「出産」「結婚」「出会い」とさかのぼっていく。
どの場面にもちょっとずつこの二人に近づきつつある翳りが見えていて、終りがわかっているだけに、どんどん時間がさかのぼっていくごとに幸せになっていく二人にサスペンスさえ感じてしまう。

フランス映画らしくとても官能的だけれど、どのペットシーンもどこか哀しい。
「来る?」というのがどうやらこのカップルが相手をベッドに誘う時の言葉らしいが、それがいずれのシーンでも微妙に空回りする。

でも、どんなカップルにもこういう感情の齟齬ってあるよねえ、と思う。
それが決定的な終りに結びつくか、はたまた思いやりとか愛着とか執着とか、名前はなんでもいいけど、離れたくないという感情でもって修復していけるかどうかで続くかどうか決まるんだから。

「ああっ、この男はダメだよ!やめときな!」とヒロインに向かって言いたくなってしまう瞬間の多々。
その描き方がうまい。
セリフじゃなくて、こういうところで見せるやり方はとても勉強になる。

不思議に思ったのは、最初の離婚のシーンではぶよぶよで疲れ果てたヒロイン・マリオンを演じたヴァレリア・ブルーニー・テデスキが時間を遡るごとにちゃんと痩せてキレイになって、出会いのシーンではすっきりナイスバディになっていたこと。
これって撮影の順番が古い時代からで、ファーストシーンのために太ったのかしらん?なんてつまんない想像をしてしまった。
いや、お見事でした。(←ヘンなところに感心している)

結婚生活に悩んでいる人、今結婚を迷っている人は見ておくといいかも。夢はなくなるかもだけど(笑)

« 一龍斎貞水 立体怪談 | トップページ | レーシック……1週間検診 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

本当にサスペンスですよね。

出会いから別れまでの通常の流れなら、二人がうまくいかなくなる過程で、あぁやっぱりなぁ、、、わかれてしまうんだと切なさを感じますが、、、、。

アガサ・クリスティーの検察側の証人を読んだ時のような不可解からはじまるドキドキ観がありました。

>Keiさん
結末がわかっていても、もしかしてもう一回転してどうにかならないのかしらん?なんて思っちゃいました。
最初に夫のあのセリフがあったからなんですが。
結果がわかっててもサスペンスにできるんだなあと感心・感動しました(笑)

はじめまして、日記才人からライターつながりで来ました。

わたしもオゾン監督が好きなので思わずコメントします。『焼け石に水』や『スイミング・プール』あたりが好きなのですが、新作もけっこうおもしろそうですね~。ぜひ見なくては!と思いました。

>ムラカミさん

はじめまして。
オゾン監督は「8人の女」で始まり、「スイミング・プール」でハマりました。
「焼け石に水」ですか?あ~未見です。
探してみます!
この映画もかなりイイですよ。音楽が哀愁を帯びていてこれまたよいです。

サイト、拝見しました。
多彩なお仕事なさってるんですね。
写真、とってもステキです。もっと観たいなあ。
上海、気をつけていってきてくださいね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/45566/5843406

この記事へのトラックバック一覧です: ふたりの5つの分かれ路:

» 「ふたりの5つの分かれ路」@ヤマハホール [旦那にはひ・み・つ (☆o☆)]
今日はイイノホールである「チャーリーとチョコレート工場」がとっても見たかったんだけど、当選しなかったし、「ふたりの2つの分かれ路」は今日が最後の試写会っぽかったのでこっちに決定。勝又さんは同じフランス映画の「クレールの刺繍」を見に行くとの事。さあ、この3作、どれを選んだのが正解だったんだろうか??? {/kaeru_yodare1/}STORY 日本語オフィシャルサイト 30代の若いカップル、ジルとマリオンは�... [続きを読む]

« 一龍斎貞水 立体怪談 | トップページ | レーシック……1週間検診 »