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2004/11/14

遍路文化講演会

ブログで知り合ったえりりょんさんが司会をされるということでお誘いいただき出かけた「遍路文化講演会」。
脚本家の大御所で作家の早坂暁さんのお話だ。
正直いっちゃうと、お遍路さんのことは通り一遍の知識しかなかった。
それどころか、映画「死国」の影響もあって、チョットコワイなんていう失礼な印象だったくらいだ。

ところが!
もうこのお話がめちゃめちゃよかったのである。「四国は日本の脈」という言葉が印象的だった。
88箇所 1400キロをめぐるお遍路をするのは、とても深い「業」を背負った人たちが多いということ。
その人たちに「お接待」といってお茶や食事、時には宿を提供するのは、地元の人たち。それは決してボランティアではなく、お遍路さんたちが自分たちの業をかわりに背負って回ってくれている、と考え、お遍路さんを通して弘法大師に御布施をする感覚なのだそうだ。
「無財の七施」
これはどんなにお金がなくても、気持ちで施せることが7つもあるということ。

1000年にわたる歴史の中で戦争末期だけはお遍路が絶えたこと、それほど日本が疲弊していたということ。
そして平成の世になって、自分探しにくる大学生やリストラされた中年男性、定年後の夫婦が増えたこと、
そこに日本の世相が反映されているということだった。

と、まあとにかく2時間近くの時間があっという間に思えるほど、深い話だったんである。
それも淡々と優しい口調でありながら、メモも見ずに、完璧な構成だった。
その優しい口調で語られる内容がまたのけぞるような深い「人間の業」だったりするから、余計に引き込まれる。
その意味でも、早坂先生のすごさを感じたのだった。
幼い時からお遍路さんを見続けてこられたことはご自身の作家になる根っこになったんじゃないかと思う。
それが1つの形になったのがドラマ「花へんろ」なのではないだろうか。

話の中にも出てきたけれど、遍路さんにインタビューしたり、殺人事件の犯人になった人物に会いたくてずっと待っていたり……そんな姿勢にも頭が下がる想いだった。

おまけにえりりょんさんのご好意で、控室までお邪魔してご挨拶までさせてもらえて感激。
ネットでしか知らなかったえりりょんさんやFさんとも会えて感激。

あんまりお遍路の話が興味深かったので、帰りに映画「ロード88」を観てきてしまった。

なんか妙に充実した土曜の一日だった。


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