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2004/10/21

白石加代子「百物語」

足かけ何年になるか、同じ劇場で聞き続け(見続け)て、ついに77本目になるという。一人芝居のようなそれはそれは見事な舞台。今回はなんと一番前の席で鑑賞できた。
珍しく前フリのMCから始まったのだけど、それが2本目のオチに大きく関係してきて、ラストシーンで思わずうなる。そして背筋がゾゾゾッとするほどこわかった。それは曽野綾子「暗い長い冬」
内田百聞「桃太郎」 太宰治「カチカチ山」(←これは白石さん大熱演)
宮沢賢治「月夜のでんしんばしら」

太宰の「カチカチ山」は兎を17歳の処女、狸を35歳の霏々爺に見立てた解釈がサイコーに笑えた。少女の残虐性ってわかる気がした。輝くばかりの若さを手にしている間は無敵なんだよな~、と。カチカチ山から妙なところに意識が向かう。
兎を月の女神アルテミスになぞらえているところなんかも太宰らしいというのか。
(ちなみにうちの猫アリーの本名(血統書)の名前はアルテミスなんです!)

2時間半、みじろぎもせずに(休憩はあったのだが)座っていたら、翌日腰痛で動けなくなった……むむ。兎のタタリか?

99本まであと22本。もちろん全部拝見するつもりだけど、終わりが近くなってくると思うと、なんだかさみしい。

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