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2003年7月

2003/07/29

【映画】「トーク・トゥー・ハー」

脚本/監督:ペドロ・アルモドバル 
出演:レオノール・ワトリング ハビエル・カラマ ロサリオ・フロー   レス ダリオ・グランディネッティ

単館ロードの話題のロングラン作品。「恋する女性が植物人間になり看護士となって看病する男 愛の奇跡」というのが大抵のキャッチコピーで、これだけでオチは見えてしまう。が、月並みな言い方だけどすごーーく面白かった。アカデミー脚本賞を受賞しただけあって、ひねりの効いた構成と人間模様。映像の美しさ、劇中劇、ゲストで登場する舞踏家や歌手の見事さ、見どころはたくさんある。
そして肝心の内容。愛と死、孤独、性、タブーとキーワードは多い。パブリシティ的にはどうしても美しい愛の奇跡でまとめがちなのであるし、確かに恋する男の孤独と愛はせつないのだが……ちょっと待て!もしも私がこの植物人間になった女の子だったら……「頼む。頼むから殺してくれ!私に触るな!」と思ってしまうのだ。だから、彼女が彼の犯したタブーのおかげで命を取り戻したとしても、そして悲しい行き違いで彼が自殺しても、それを「愛の奇跡」と呼ぶのはいかがなものかという思いは残る。また、バレリーナと看護士の愛だけがクローズアップされがちだが、もうひとつ同時並行に進む男女の闘牛士とジャーナリストの三角関係。こちらがまたオトナの恋としてせつない。人は結局孤独なのだ。そしてどんな純粋な愛情も一方通行であれば、決して美しいだけではなく、時に醜く、そして悲しい。
スペイン映画というハリウッド作品とは違った雰囲気もいいし、考える要素はたくさんあるしかなりおススメの一本。

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